第1回:プロローグ|ブロックアフガンのベレー帽、試作品からサイズを補正する

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ブロックアフガンで、オリジナルレシピのベレー帽を編みます。
今回は、完成版のレシピを作るために編んだ試作品についてお話しします。

編み図もレシピもないモノを作りだすということ

既存の編み図やレシピがない作品を作るには、「試作品作り」と「計算」が重要になってきます。

ニットは伸縮性のある素材です。編地そのものが伸びることもありますし、着用しているうちに重力によって伸びてくることもあります。

そのあたりも考慮しながら、目標とする完成サイズを決めていきます。

そして、計算をもとに試作品を作るわけですが……まぁ、一発でうまくいくとは限りません。

今回は、そんな試行錯誤の記録です。

仕上がりサイズを決める

まずは理想のサイズを決めるために、巻き尺を使って自分の頭を採寸します。

実寸は、次のとおりです

頭囲:58cm
頭囲から頭頂部までの長さ:23cm

ここから、目標とする仕上がりサイズを考えます。

頭囲:56cm
頭囲から頭頂部までの長さ:27.5cm

いつもニット帽を作るときは、頭囲の実寸から2〜3cmほど差し引いた寸法を目安にしています。

今回も、それにならって頭囲56cmを目標にしました。

……今思えば、この見積もりが甘かったのですが。

編み技法はブロックアフガン

今回はアフガン編みでやります。
その中でも、ブロックアフガンという技法を使います。

毛糸は野呂糸シルクガーデン。
素晴らしい段染めを生かしたかったので、この技法を選びました。

今回は、トップから6枚のピースをつなぐ構成にします。
計算の結果、1ピースの大きさは「9cm」としました。

以上の条件で、試作品を完いったん完成させました。

試作品がこちら

一見、うまく編めているように見えます。

実際にかぶってみると

まーーー 大きいこと(涙)

しかも、途中で一度大失敗して、すべてほどいて編み直しています。
そのうえ、のべ7日間かけて完成させたものがこれです。
着用感がいまひとつだと、なかなか悲しいものがあります。

でも、まぁ、よくあることです。

今回の試作品では、特に次の3点が気になりました。

  • 頭回りが大きすぎる。
  • 帽子の高さもありすぎる。
  • ゴム編みで縮めても、かぶったときのゆるさが解消されない。

9cmを基準寸法としたピースを6枚つないだところ、ゴム編み前の円周は約76cmになりました。

これを目標の頭囲56cmに合わせるようにゴム編みしたのですが、それでもゆるい。
頭回りも、頭回りのゆとりも、何もかもが大きめです。

さて、どうしたものか。

この試作品をもとに、完成版の寸法を再計算していきます

試作品を補正し、完成版のサイズを割り出す

特に頭囲のゆるみがひどいので、理想のサイズ感で手でつまんでみました。
ざっと8~10cmくらい詰めてもよさそうなことが分かりました。

帽子の高さもちょっとありすぎかなぁ、5cmくらい詰めてもいいよね、そんなイメージです。

これぞ、実物があるからこそできるリアルサイズ捕正です。

計算だけでは判断しきれない部分も、実際に編んでかぶってみれば、具体的に検討できます。
では、どのように寸法を変更すればよいのでしょうか。

ブロックアフガンのピースのサイズを調整する

頭回りも高さもゆるいということは、ブロックアフガンのピースの基準寸法が大きすぎるのかもしれません。

そこで、ピースの寸法を小さくした場合、円周がどのくらい変わるのか計算してみます。

頭囲は、正方形パーツを ◇ の形で6つ並んだ長さです。
◇を上下で二等分すると、角が直角で、二辺の長さが各8cmの二等辺三角形になります。

ここで、直角をはさむ二辺の長さを8cmとすると、三角形の斜辺の長さは、三平方の定理から求められます。

直角二等辺三角形では、斜辺の長さは一辺の長さの√2倍です。

したがって、

8 × √2 ≒ 11.3cm

となります。

この長さが6つ並ぶと考えると、円周は、

11.3 × 6 ≒ 67.9cm

です。

つまり、ピースの基準寸法を9cmから8cmに変更すると、ゴム編み前の円周は約76.4cmから約67.9cmになります。

先ほど、ゆるい箇所を手でつまんで「10cm詰めてもいいね」ということでしたので、ちょうど良いカンジかと思います。

ただし、これはあくまでも計算上の寸法です。

実際の着用感は、編地の伸縮性やゴム編みの仕上がりにも左右されます。
それでも、試作品をもとに次の寸法を検討するための、ひとつの目安にはなりそうです。

ちなみに、7.5cmのピースで計算すると⋯⋯

念のため、ピースの基準寸法を7.5cmにした場合も計算してみます。

7.5 × √2 ≒ 10.6cm

これが6つ並ぶので、

10.6 × 6 ≒ 63.6cm

となります。

8cmの場合は約67.9cmでしたから、わずか5mm小さくするだけで、円周は約4.2cmも小さくなることがわかります。

アフガン編みは、手加減によってもサイズ感が変わります。
そのため、計算だけでなく、実際の編地の寸法も確認しながら、注意深く編む必要があります。

念のため、巻き尺で輪を作って頭に当ててみます。
うん、この時点では8cmのピースでよさそうです。

ついでに、高さも割り出しておく

ベレー帽の高さは、ブロックアフガンの◇ピース縦2つ分+ゴム編み2cm分となります。

試作品の、9cmを基準寸法とした場合、
先ほどと同様に計算すると、

9 × √2 ≒ 12.7cm

これが2つ分なので、

12.7 × 2 + 2 ≒ 27.4cm

となります。

8cmピースの場合は

10.6cm×2+2で23.2cm

になります。
冒頭で「高さが4〜5cm低くてもいいよね」といった話をしましたので、これなら目標に届きます。

※なお、ここで示した寸法は、あくまでも設計段階の計算値です。

ルート計算の実技は、後日改めて解説します

「え? 計算するのに、なぜ√(ルート)が出てきた?!」
と思われたかもしれません。

ええ、便利なんです。コレが。

今回は計算結果を中心に紹介しましたが、ルートを使って長さを求める方法は、後の回で改めて解説します。

電卓をご用意してお待ちください。

あとがき

今回は、試作品をもとに、ベレー帽のサイズを補正する方法を紹介しました。

事前に計算して「これならイケるだろう」と思って作った試作品ですが、実際にかぶってみると、直すべきところがてんこ盛り。

これは、作ってみないとわからなかった!
でも、試作品があるからこそ、どこをどう直せばよいのか、具体的に検討できます。

今回は、実物のサイズ感と計算結果をもとに、完成版の寸法を考えてみました。
皆さまには、ワタシが試行錯誤した結果だけでなく、そこに至るまでの考え方もお伝えしていきます。

では、今回はこんな感じで。

ベレー帽シリーズの総合案内所はこちらです

【総合案内所】ブロックアフガンで編むベレー帽の編み方
こんにちは。手持ちの毛糸で理想のサイズに編み物します。おおうらです。中でも野呂糸が好きで大事に溜め込んでおりましたが、この度、ニット帽(というかベレー帽)に転生させることにしました。技法はアフガン編みで、手法はブロックアフガンで四角パーツを…

ではね!

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